Ansible Night in Tokyo 2018.04に参加してきた
RedHat社のセミナールームで開催されたAnsible Night in Tokyo 2018.04に参加してきました。
Ansibleユーザー会主催のイベントに参加するのは第1回もくもく会以来。
80名の参加枠に対して240名くらいの応募という人気っぷりで、抽選の結果、見事に外れた上、補欠順位も200番以降となってしまい、これは絶望的だなぁと一時は落胆したものの、ブログ枠が空いていたので滑り込んだ次第です。
そんな訳で、各講演を拝聴しての雑感を書き残しておきます。
Cisco with Ansible
シスコシステムズの加藤久慶さん、横石 雄大さん、畝高 孝雄さんの講演。お三方それぞれのテーマで発表。
NexusでAnsibleやってみた
まず、Ciscoについて。日本ではルーターやスイッチのイメージ強いけど、それらは一部のサービスで、ネットワークに関わる様々な製品を提供しているとのこと。
この発表ではCiscoのスイッチNexusシリーズ4台を使ったネットワークを、Ansibleで自動的に構築(スイッチ間でのP2Pセグメント設定、Loopbackインターフェースの作成、OSPFを有効にしての経路伝播等)するところをサクッとデモされていました。
NexusシリーズのOSであるNX-OS用のAnsibleモジュールは現在72種類あり、大概のことは自動化できるそうです。
なお、CiscoにはDevNetという開発者向けのサービスがあり、そちらに各種サービスのSandboxが提供されているので、実機の購入という高いハードルを越えずとも、気軽に検証することが可能とのこと(DevNetは様々なSSOに対応しており、GithubやFacebook等のアカウントでログインできます)。
また、Learning Labsというコンテンツもあり、Cisco製品におけるAnsibleの活用方法や、Ansible自体の使い方等について学習することができる(Ansible関連以外のものも)ので、是非、有効に活用してもらいたいとのことでした。
Contiv + k8s + Ansible
Contivについての紹介がメインな発表。メモはとったものの、発表内容の要点はCiscoのブログにまとまっていたので、そちらの方が参考になります。
実務でコンテナ使えていないこともあって、正直、Contivについては全く知らなかったのだけれど、深掘りしたい内容でした。
Cisco ACIとAnsibleのステキな関係
www.slideshare.net
Ansibleの制御対象は増えるほど管理が大変。サーバーという点に対し、面であるネットワークの構成管理は勝手が違う。
という問題に対し、ACI(+APIC)の紹介をメインに、Ansibleとの連携でネットワーク構成管理の煩雑さがどう解消されるのかといった発表でした(多分)。ACI(+APIC)については自分のメモよりCiscoの製品紹介を見た方が参考になります。
ACIのAnsibleモジュールは、充実したドキュメントが公式に用意されているので、検証する際はそちらを参照すると良いとのこと。
なお、ACIにはacitoolkitというPython製のツール群があり、その内のACI Diagram generatorを利用すると、APICにAPIアクセスしてACIのダイアグラムをグラフィカルに作成することができるのだとか。
Ansible2.5のアップデートとネットワーク自動化
RedHat社のAnsibleビジネスユニット プリンシパル・プロダクト・マネージャー、Sean Cavanaughさんの講演。
英語で通訳無しであった為、残念ながらあまり理解できませんでしたが、概ね以下のようなお話をされていたかと思います。
- Ansibleは現在、40以上のネットワークプラットフォームをサポートしており、関連するモジュールは580を超えている
- 2.4のネットワーク系追加機能のお浚い
- 2.5のネットワーク系追加機能の紹介
- 2.6のネットワーク系追加機能の展望
- Ansible CommunityのNetwork Working Groupと、roadmapについて
- Ansible Linklightの紹介
Ansibleを追いかける際の情報源を知れたのは収穫でした。
LT1:ANSIBLE ROLEの継続的自動UPDATE
chrojuさんの発表。
Ansible Roleをソフトウェアパッケージに見立て、yarnやbundle、Gemfile.lock等を参考に工夫を凝らしてCIを回すというお話。
個人的にAnsibleはまだまだミニマムな使い方しかしていないけれど、ゆくゆくはぶつかりそうな問題なので参考になりました。
LT2:Junos モジュールのコネクションタイプの使い分け
akira6592さんの発表。
www.slideshare.net
英語の講演中に理解しきれなかった2.5から追加されたコネクションタイプについて、こちらのLTで補完されました。
LT3:Ansibleを使用したWindows管理
curry9999さんの発表。
なかなか出来上がった状態での発表となったcurry9999さん。笑いあり介護ありで面白かったですw
AnsibleのWindowsモジュールは1.7からじわじわ増え、2.5では81種類となり、自動化できる範囲も広がっているので、積極的に活用して無駄な運用タスクを減らしていこうというお話。
curry9999さんはライフワーク(?)でAnsibleモジュールの歴史をまとめられているので、定期的にチェックさせてもらっています。
Ansible 2.6 対応 モジュールの歴史 フルアーマー版awsbloglink.wordpress.com
LT4:Ansible とStackStorm でつくるChatOps 環境
katsuhisaさんの発表。
StackStormを活用したChatOpsの自動化について。
運用においてChatが有効活用できていない環境にいるので、ここまで自動化できてるのは個人的には未来感ありました。
IFTTTって知らなかった。トライしたい。
LT5:Windowsのcp932に苦闘している
Hidetoshi Hirokawaさんの発表。
www.slideshare.net
AnsibleでWindowsの自動化を進めていくとぶち当たる、文字コードという特有の問題に対するお話。
終わりに
知見の乏しいネットワーク領域に関する講演がメインであったので、その場では理解しきれないことも多かったのですが、日頃、サーバー用途でしかAnsibleを使っていない自分にとっては、全体的に新鮮な内容でありました。改めてAnsibleの適用範囲って広い。
なお、イベント終了後は恒例となっているAnsible飯に参加させて頂き、Ansibleに関する話題は当然として、バーベキューとか肉の妖精とかIoTプラレールとか、参加者の皆さんの興味深い趣味の話にも花が咲き、今回も有意義な時間を過ごさせてもらいました。
イベント主催者、スタッフの皆さん、RedHat社に感謝致します。有難うございました。
※ 会場が恵比寿だからか、イベント開始前にRedHat社の望月社長からヱビスビールが振る舞われました。ありがたやありがたや。
※ ブログ書くということでAnsibleノートも頂きました。ありがたやありがたや。